2022-04-27

人を明日へ連れていく「迷犬マジック」感想

山本甲士さんの連作短編集「迷犬マジック」を読みました。

迷犬マジック 山本甲士

家族から認知症を疑われる男性
なかなかチャンスをつかめない、ストリート三味線奏者
マイナス思考のメタボ男性
人から逃げるように一人暮らしを始めた女性

人付き合い、環境、自分そのもの。つまずく主人公の前に現れた1匹の迷い犬、マジック。

戸惑いながらもマジックと暮らすうち、その生活に少しずつ変化が……?という物語。面白かったー。

特に好きなのがストリート三味線奏者・屋形の話。

うまくいく、にも種類がある。本当にそっちでいいのか?無言で問うマジックの表情が見えるようで、お気に入りのシーンです。

他人(犬含む)の視線や行動に、何を見出だすかは自分次第。

そんなことを思う1冊でした。

ネタバレを含む感想は追記より。

追記を読む

本作のテーマのひとつ「繋がり」。

少しずつリンクする物語もそうですが、マジックに貰ったものを貰いっぱなしにするのではなく、次に繋いでいくところが特に好きです。

七山のエピローグが屋形のプロローグになり、屋形の一言が岩屋のターニングポイントになる。岩屋や苺が蒔いた種は、それぞれの中で育っていく。

だから、マジックがいなくても大丈夫。

……。

でもさ、もっとマジックの活躍を読んでいたかったよ。

シリーズ化、しないかなあ。

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