「未来製作所」感想
デンソーと幻冬舎の共同企画短編集「未来製作所」を読みました。
- Prologue/田丸雅智
- ワンルーマー/田丸雅智
- dogcom./小狐裕介
- 工場散歩/北野勇作
- 山へ帰る日/松崎有理
- 鞍の上で/北野勇作
- 天文学者の受難/松崎有理
- ラプラスの兄妹/太田忠司
- 砂漠の機械工/小狐裕介
- ドルフィンスーツ/田丸雅智
- つながる思い/太田忠司
「ものづくり」と「移動」をテーマにしたショートショートが10編。
今よりも少し未来。ものづくりと移動、そして人はどうなっているのか──。五者十様の回答がありました。面白かったー。
技術の進歩による負の側面はあまり書かれず、希望とロマン多めなところも個人的には好印象でした。
しなくていい、が生む欲求。
移動は単なる手段から、目的そのものに。
ものの向こうに人を見る。
このフラットな明るさ、温かさはある意味、昔のSF(機械と愚かな人類)に対するデンソーと理系作家からの反論と言えるかもしれません。
特に好きなのは小狐裕介さんの「dogcom. 」。犬の話に弱い……。
「もの」と「相手」の境界はいつか無くなる。そんな未来が見える話ですが、逆に「相手」だったものが「もの」になってしまう。そんな可能性もちらつきました。
10年後、主人公の隣にパンフレットを持ってくる人はいるんだろうか。なんて。
技術に善悪は無く、結局は人次第。
願わくは、良い方向へ。
そんなことを思う1冊でした。
\Thanks for reading!/