出会いと別れが船を進める物語 Spiritfarerクリアレビュー(Switch版)
「Spiritfarer」Switch版をクリアしました。
ゲーム内容とおすすめポイントを紹介しつつ、感想を書いていきます(ネタバレはしません)。
Spiritfarerはこんなゲーム
Spiritfarerはカナダの開発・販売会社Thunder Lotus Gamesが手がけるシミュレーションアドベンチャーゲーム。
プレイヤーは迷える魂を案内する船頭「スピリットフェアラー」の役目を引き継ぎ、世界をめぐります。
ひとつの町のような船の上で魂たちと暮らしながら、行くべきところへ行く手伝いをする……というストーリー。
魂たちはプレイヤーに色々なことを教えてくれます。設備の建て方、素材の入手と加工の方法、未知の島。
それらを活かして個室を整え、作物を育て、食事を作り、頼まれ事を解決しながら船を進めていきます。
ぱたぱた動き回って話を聞いているだけでも楽しいですが、魂を見送ったあとの展開もグッときます。
別れは悲しい。でもそれだけじゃない。
見送るタイミングはプレイヤー次第という点も重なり強い没入感を生んでいます。
出会うことでできることが増え、別れることが次の出会いに繋がる。
別れなければ、進めない。
プレイヤーの行動とジレンマが上手くゲームシステムと連動していると思いました。
サブクエストも含めたクリア時間は私の場合40時間超。
コレクション(≒アイテム図鑑)完成を目指すならもっとかかりそうです。
こんな人におすすめ
Spiritfarerはこんな人におすすめです。
抽象的な物語、考察が好き
Spiritfarerの物語はプレイヤーの想像にゆだねられる部分が大きいです。
魂たちがぽつりぽつりと語る気づき、後悔、恐れ、探究、迷い、享楽、老い、信念、愛……。
プレイヤーが干渉できる範囲は狭め。解決するために話を聞くというよりは「共有」に近いかもしれません。
彼、彼女らの心情や背景を想像するのも楽しみのひとつ。
一方、全ての答えがゲーム内で明かされるわけではないので好みが分かれる部分とも言えそうです。
(2月17日追記)
今後のアップデートで全ての答えがゲーム内で明かされる可能性が出てきました。詳しい内容は下の記事に書いています。
生活シミュレーションが好き
Spiritfarerのクラフトは船上の暮らしを支えるために行います。
皆の食事のために牛や鳥を飼い、作物を育て、釣りをする。
船の設備のために製材し、布を織り、金属を加工する。
素材の入手やクラフトはプチゲームのようになっていますが難易度はゆるく、失敗ペナルティも無し。
あくまで生活のため、物語を進めるためのクラフトなので
- 効率化して素材長者を目指したい
- 部屋を細かくレイアウトしたい
こういう人には物足りないかもしれません。私は1のタイプでした(牧場物語プレイヤー)。
のんびり好きなことをしながら必要な時にクラフトをする。それで充分間に合います。
癒されたい
夜釣りをしていると少しずつ明るくなる水平線。鐘を鳴らして朝を知らせ、皆と挨拶を交わす。
まるでアニメを動かしているようなグラフィックもSpiritfarerの大きな魅力です。
特に「ハグ」のアクション。これが凄く良い。
魂によって一瞬とまどったり、飛び込んで来てくれたり、人目を気にしたりと様々な反応を見せてくれます。
いつでもできるわけではない、というのも特別感があって好きです。
気になった点
エラー
プレイ時間40時間超の中で原因不明のエラー落ちが5回。
船を乗り降りするたび自動セーブが入るので長時間が水の泡とはなりませんでしたが、少し気になりました。
任意のセーブはセーブ後タイトルに戻るタイプ。ロードを挟むことを考えると、あまり使いたくないなーというのが正直なところ。
今後の対応が待たれます。
文字が小さめ
全編ノーマルSwitch/携帯モードでプレイ。会話文や選択肢は大丈夫でしたが、クラフトのレシピなど細かい文字は読みにくく感じました。
特に綿と絹、鋼と銅の区別がつかない……。
対策として、Switch本体の機能「ホームボタン2回押しで拡大ルーペ(要設定)」はいつでも使えるようにしておいた方が良さそうです。
とりまとめ:肯定感
Spiritfarerの魅力をひとことで表すなら「肯定感」かなと思います。
迷ってもいい。立ち止まってもいい。
姿かたちが変わっても、道行く人々がゴロツキ風でもいい。
もし今、悲しくても「先」はある。
良いゲーム体験ができました。
\Thanks for reading!/