ねこの風つくり工場/工場見学のお客さま

みずのよしえさんの「ねこの風つくり工場」シリーズ既刊2冊を読みました。

ねこの風つくり工場

大通りから少しはなれたところにある工場。人間たちは誰も知りませんが町をふきわたる風はここで作られています。

そして、ここで働いているのは町に暮らすねこたちなんです。

書影はありません

収録作

  1. 灰色ブラリとわらい声のかけら
  2. 白ねこスノウの表彰状
  3. 風つくり工場の新入社員

感想

人の暮らしの裏側でこっそり働くねこたちのお仕事物語。

「風をつくる」という設定こそメルヘンですが、その工程はなかなかに本格的。

材料を集めて仕分けをするところから始まりミキサーで粉にしてコンベアラインに乗せ、こねてまとめて伸ばして切って大きな鍋でぐつぐつ。

研究や開発もぬかりなく、温度や風のしっぽの長さ、匂いなど特徴ごとに分類しラベルを貼ってサンプルを保存するのも忘れません。

それでもやっぱりねこはねこ。じっとしているのが苦手な者やお昼寝好きなおちびさん、毎朝のホットミルクの温度に悩む工場長など個性豊かな面々のおかげで工場内はいつもにぎやかです。

特に好きなのは3話目、というかハック。ハックが可愛い!

工場見学のお客さま

書影はありません

収録作

  1. 風つくり工場のちいさなねじ
  2. 工場見学のお客さま
  3. わらい声のかけらとのどあめ

感想

シリーズ2作目。飼いねこ、のらねこ問わず働いている風つくり工場ですが、今作では完全室内飼いの「内職さん」の存在も明らかになりました。ねこたちの世界もいろいろだなあ。

前作でもちらっと話題になった風つくりの秘密を探ろうとするスパイとの攻防も面白いです。さすがスパイかしこい。そして厚かましい。笑

特に好きなのは3話目。寒い日に足元をすり抜けていくねこたちはひょっとしたら……と考えると和みます。

タイトルと表紙に惹かれて衝動的に手に取ったこのシリーズ。分類は児童書ですが、子どもだけでなく大人も楽しめる穏やかで優しい物語でした。

2作目が昨年11月に出たばかりなので次作はかなり先になるのかな。のんびり待とうと思います。

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このシリーズは他巻の感想も書いています(2018.7.22更新)

  1. ねこの風つくり工場
  2. 工場見学のお客さま
  3. まるタンクとパイプのひみつ

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