という、はなし

吉田篤弘さん、フジモトマサルさん共著の「という、はなし」を読みました。

という、はなしの書影

収録作

 1.夜行列車にて 2.背中の声
 3.読者への回復 4.灯台にて
 5.虎の巻 6.待ち時間
 7.地上の教え 8.何ひとつ変わらない空
 9.居残り日録 10.眠くない
 11.かならず 12.影の休日
 13.寝静まったあとに 14.話の行き先
 15.寝耳に水 16.ひとり
 17.背中合わせ 18.とにかく
 19.海へ 20.希有な才能
 21.日曜日の終わりに 22.暗転
 23.時間を買う 24.恋と発見

感想

夜行列車に灯台、ベッド、書斎に地べたに屋根の上。様々な動物たちが様々な場所で本を読む姿を描いて書いた24掌編。

坦々としているようでときに感傷的、ときに哲学の香りを漂わせる吉田さんの文章。鈍い色合いと潔い線が味わい深いフジモトさんの絵。両者の相性は抜群。

また、普通の本は主に文章→挿し絵の順で作られるところ、こちらはフジモトさんが描いた絵に吉田さんが物語を「挿文」するという手法をとっているそう。

吉田さんいわく「何がなんでも答えなくてはならないなぞなぞ」だとか。バトンの受け取り方も面白い。

特に好きなのは病院のベッドで点滴を受けながら本を読むレッサーパンダの「読者への回復」。

「待ち時間」「何ひとつ変わらない空」「眠くない」「影の休日」も好き。

気忙しい年の瀬にちょっとひと息つくのにぴったりの静かで印象的な1冊でした。

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